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体外受精を受けている方へ

こちらのページをご覧になっているほとんどの方が、すでに体外受精・顕微授精の事を調べて知っているのではないでしょうか。
体外受精における基礎知識についてはブログで綴っておりますので割愛させて頂きますが、以下に鍼灸治療を併用することを迷われている方に向けた私からのメッセージを記載しています。

体外受精に鍼灸治療を併用すると胚の着床率が通常の2倍前後も上がる研究報告があることをご存知でしょうか?

2008年 アメリカの報告

過去の7件の臨床試験のデータをまとめた。はり療法を併用した胚移植は、はり治療を受けた群の臨床的妊娠は1.65倍高く、継続中の妊娠は 1.87倍、生児分娩率は1.91高く、はり治療は妊娠率の高さと関連していた。

2016年 イギリスの報告

160組のカップルを体外授精を行う周期に4回の鍼治療を受ける群と、受けない群に分けた臨床試験の結果、鍼治療を受けた群では46.2%の妊娠率で、受けなかった群の21.7%と比べ、鍼治療を受けた群補法が2.13倍高い妊娠率を認めた。

上記のような研究は、近年海外を中心として盛んに行われています。 まだまだ科学的な裏付けが十分でないのが現状ですが、結果として良い報告があるのも事実です。
過去診させて頂いてきた患者さんを診ていても、「内膜が薄く移植できなかったのが鍼灸治療を受けて移植できるようになった」「一度も着床しなかったが鍼灸治療を併用して初めて着床した」、「妊娠しても何度も流産をしていたが、鍼灸治療を始めて出産できた」、というケースが少なくありません。
当院での治療は、お体の状態に加え、タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精、採卵周期、移植周期など、その時取り組まれている不妊クリニックでの治療内容とスケジュールを考慮して、鍼灸治療の併用が最適な方法を選び、通院のペースを一緒に調整していきます。

思っている以上に重要な施設の選択

東京都の特定不妊治療費助成事業の医療機関として指定を受けている指定医療機関の数はH28年12月現在93施設、以前私が勤めていた横浜市内の指定医療機関の数は16施設あります。
北海道では、指定医療機関の数はH28年4月現在で28施設、旭川市に限っては3施設となっています。

当院のホームページをご覧の皆さまの多くは、上記の中からひとつ受診する場所を決めることとなります。 上記指定医療機関のすべてで不妊治療が可能です。
ただ、医師の専門性、胚培養士(エンブリオロジスト)をはじめとするスタッフのスキル、施設の医療機器の充実度などは全国一律という訳には行かないのが現実です。
施設によって薬の処方や使い方が大幅に違うこともあります。そして成績も違います。 私が横浜で診てきた経験の中だけでも、「施設を変えたらすぐに妊娠出来た」ということも珍しい話ではありません。 施設ごとに治療の進め方に特徴がありますので、当院で把握している情報をお伝えし、ご自身に合う施設の選択をサポートすることも私の仕事と考えています。

北海道すべての施設を網羅している訳ではありませんが、周辺の施設情報や、道内・都内の施設情報は随時取集しておりますので、当院での治療に並行し、必要であればご案内していきます。

○○%の妊娠率に騙されないで

日本産婦人科学会が発表している高度生殖医療(ART)における2013年治療成績、胚移植あたりの妊娠率28.7%。この結果を高いとみるか、低いとみるかはそれぞれかと思います。では、こんなデータがあったらどうでしょうか。
「妊娠率90%以上の○○サプリ」
現代の生殖医療をもってしても30%に満たないものが、サプリを飲んで90%の妊娠率?
そんなことはあるのでしょうか。

「100%の妊娠率」や「80%以上の妊娠率」という類の妊娠率のデータは集計方法にトリックがあるということをご理解頂けたかと思います。

妊娠したという事実に嘘はありませんし、データ自体もあながち嘘ではありません。
しかし、母数の違いや集計方法がまったく異なっていると、すがりたくなるほど良い結果に見えてしまうものが存在することを知る必要があります。都合の悪いデータを省いて、良く見せるために行っている悪質なデータ表示をしているものも残念ながら見受けられます。自分自身で信頼できるものを選択する目を持って、時間とコストを無駄にしないよう注意することが大切です。

当院では「1%でも確率を上げるサポートが出来れば」、と日々鍼や灸を使って治療をしています。

身体に良いと思って食べているもの、本当に必要?

あなたは不妊に良いと言われているサプリメントや食品を摂取していますか? 食生活が卵巣や子宮に与える影響はあるのでしょうか。
サプリメントも不妊の情報もない大正期の時代、どんなものを食べていたのでしょうか。過去と現在を比較してみてみましょう。

大正期の食生活は、都心部の富裕層では大正ロマンと言われる美食文化が始まった時代ではありますが、基本的に庶民の生活は、その土地で採れるものを食べている事が前提として、主食に麦・雑穀が中心で、副菜は味噌汁に魚や大豆類、野菜を中心とした質素な食生活だったようです。
冷蔵庫も普及する前ですので、冷たい飲み物なんかもありませんし、南国で採れるような果物もめったに食べる事が出来ない時代です。

比べて現代の食生活は、米でも麦でも、パンでも、スイーツも、なんでも自分の意思次第で食べられる時代です。サプリメントもあります。
栄養素の点から見ると、現代の方が豊富な食料があるのに、大正の方が産む数も産める年齢も高い。
寿命は延びているので栄養状態が良いはずの現代ですが、いったい何が影響しているのでしょうか…。
あなたの食生活はいかがでしょうか?
当院では、「食材の組み合わせ方、バランスが崩れている」と考えています。

冷やすことは何の得にもならない

大正期の時代は、洗濯をするにも、掃除をするにも、畑仕事をするにも、機械が普及していませんでしたので、否応にも肉体労働をしなければ生活できませんでした。普通に生活するだけでも身体を動かす事が多かったようです。

では、現在の生活はどうでしょうか。掃除や洗濯は機械に、仕事はPC、出勤も電車や車という方が多いのではないでしょうか。
身体を動かすと血流が良くなります。血流が良くなると温まりますよね?当たり前で単純なことですが、冷たい物を食べたり、身体を動かす事が減れば冷えやすくなります。

東洋医学では、良く動かしたり働いたところに血が集まると考えています。頭や目を働かせれば、頭に血が集まります。逆に足を良く動かせば足に血が集まります。
そして冷たい物を食べると内臓が冷えます。

あなたの生活はいかがでしょうか?
上半身を中心に動かしている方は下半身(子宮や卵巣、精巣)に血が不足します。冷飲食を過食している方は内臓を温めようとするため、他に血が不足します。
​当院ではまず血流のバランスを整えることが必須と考えています。

医療機関での治療と合わせて鍼灸治療を行うってどんなことするの?

個々の体質に合わせて治療を行っていくのですが、各期に合わせた治療方法・内容を変えて治療していく方法があります。 この方法を周期療法と言い、以下の例は、当院でこの方法を採用する場合に来院して頂く方のスケジュール一例です。

例:月経が28日周期の場合の治療日(生理1日目=d1)

d1前後、d7前後(卵胞期に1~2回)、d14前(排卵直前に1回)、d21前後(黄体期に1回)と各期に1回ずつは治療が出来るようスケジュールしていきます。
これが基本的な周期療法の来院スケジュールですが、実際はクリニックの治療スケジュール(採卵周期、移植周期)に合わせて鍼灸治療を併用するベストな時期をお伝えしながら予定を組んで行きます。

他の人はどのくらい不妊鍼灸に通われて妊娠されるのですか?

よく聞かれる質問です。 結果の出かたは本当に千差万別で、一概には言えないのが正直なところではあります。
そこで、参考までに以下、院長木村が過去不妊ケアで担当し妊娠された方の直近30名の妊娠までの
・年齢
・当院に初診来院された時点での妊活歴
・当院に初診来院されてから妊娠されるまでの期間と回数
・妊娠の手段(自然妊娠・人工授精・体外受精)
を公表したいと思います。

年齢 初診来院時の
妊活期間
初診来院後から妊娠(※1)
至るまでの期間・通院回数
妊娠の手段(※2)
35 6年 9ヵ月・15回 体外受精
27 1年 3ヵ月・12回 自然妊娠
40 4年 10ヵ月・10回 体外受精
33 3年 7ヵ月・32回 体外受精
35 7年 2ヵ月・9回 体外受精
31 4年 7ヵ月・13回 自然妊娠(当院タイミング指導のみ)
36 3年 19ヵ月・36回 体外受精
38 4年 2ヵ月・5回 体外受精
29 0年 7ヵ月・15回 自然妊娠(当院タイミング指導のみ)
46 1年(3子目) 3ヵ月・5回 自然妊娠(当院タイミング指導のみ)
37 3年 4か月・10回 体外受精
35 6年 7ヵ月・16回 自然妊娠(当院タイミング指導のみ)
43 2年 28か月・72回(途中休止時期含む) 体外受精
42 9年 31ヵ月・62回 体外受精
33 3年 1ヶ月・2回 自然妊娠
41 6ヵ月 4ヵ月・11回 体外受精
38 1年(2人目) 4ヵ月・9回 体外受精
35 3年 2ヵ月・5回 体外受精
35 4年 14ヵ月・29回 体外受精
35男 1年(2人目) 4ヵ月・6回 自然妊娠(当院タイミング指導のみ)
45 2ヵ月 18か月・29回 自然妊娠
40 5年 16ヵ月・43回 体外受精
42 1年 6ヶ月・19回 体外受精
40 1年 3ヵ月・7回 体外受精
38 5年 2ヵ月・7回 体外受精
41 2ヵ月(2人目) 5ヵ月・10回 体外受精
32 7ヵ月(2人目) 7ヵ月・14回 体外受精
32 2年 2ヵ月・4回 体外受精
44男 3年 22ヵ月・33回 自然妊娠(顕微受精お休み周期)
36 2年 10か月・13回 体外受精

※1 心拍確認できたものを妊娠成立とし、施術回数も心拍確認までの回数
※2 クリニックにおけるタイミング指導(服薬あり)による妊娠は自然妊娠とする

早く鍼灸治療をスタートした方が早く結果に繋がる傾向にある

当院受診までの妊活歴平均 2.9年
当院受診から妊娠に至るまでの期間と回数の平均 8.6ヵ月、18.4回
妊活歴1年以内の方で当院受診から妊娠に至るまでの期間と回数の平均 5.4ヵ月、12.5回
妊活歴2年以上の方で当院受診から妊娠に至るまでの期間と回数の平均 10.5ヵ月、21.9回

妊活歴が短い程、当院受診から妊娠に至るまでの期間は短い傾向にあるようです。
不妊治療の一環として鍼灸治療を併用しようか迷っている方の場合、出来るだけ早く鍼灸治療の併用をスタートした方が早く結果に繋がる。と、私が担当し妊娠に至った方の受診経過からは読み解けるようです。

すべての方に共通すること

初診時はお身体の状態を把握するため、東洋医学的な問診と治療合わせて2時間程かけて行っていきます。
日常生活から、過去の精神状態なども含めたものから現在の問題点を把握していきます。
食事や日常生活で問題になっていることを含め、導き出された情報を基に治療を組み立て、妊娠しやすい身体づくりを目指していきます。

こころのケアを忘れずに

子どもが欲しいのに全然出来ない、コウノトリを待っている期間が長くなってしまっている、そんな時の心の状態はとてもハッピーとは言えません。
ささいな事で夫婦喧嘩をしたり、生理が来る度に泣いたり、自責の念に駆られたり…
私たち夫婦はそうでした。

夫婦が幸せであってこその妊娠、そして出産であるべきはずなのに、いつの間にかつらく苦しい妊活になってしまうご夫婦は私たち以外にもたくさん見てきました。
笑いながら幸せに出来る妊活が理想的で、本来そうあるべきだとは思いますが、現在の不妊治療は、経済的にも精神的にも苦しい事が多くなってしまっています。
ストレスは自律神経を乱れさせ、ホルモンをも乱していきます。
血液の循環にも深く関与している自律神経ですので、ストレスによって血流が悪くなり、妊活の妨げになっていきます。

「不妊治療が不妊を作る」と言っては語弊が生じるかと思いますが、せっかく妊娠の確率を上げるために行っている不妊治療が、ストレスで確率を下げるなんてことがあっては本末転倒です。
鍼灸が不妊へ効果的というのは、近年医学的な根拠を示す統計データも出てきていますが、何より自律神経に作用することは科学的に広く認められているものです。
妊娠のために始めた鍼灸でも、同時進行で「心のケア」、ストレスを受けた心身が回復してくれるようサポートすることも、当院の不妊ケアです。

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