「肩こり」がひどくなると「頭痛」へ移行する方の一症例
東川町在住の30代女性Nさま
主訴:7〜8年前よりデスクワーク仕事になってから肩こりを感じるようになる。(肩周辺がギューッと重くなる)
ひどくなると吐き気と頭痛(目の奥が痛い)に移行する。
所見:
デスクワークの内容は書き物が多く、締め切りが来ると作業時間が増え、症状も悪化する。
チョコを食べるともう少し頑張れる気がする。マッサージをしたり、寝たりすると一時的に楽になるが、またすぐに戻ってしまう。
首の可動域が極端に悪く、左右に振り向く動作で真横を向けない、上下も動かしにくく、傾げることも20〜30度ほどしか出来ない。
肩こりなどの症状が、リラックスしたり身体を緩めると楽になっていることから、緊張感が抜けなく肩周囲の力も抜けないために起こる症状とし、肝気鬱結による肩こり・頭痛と判断。
治療:
初診:疏肝を主に加療スタート。背中のツボに加え、手のツボを中心に選択した。
初診直後、首を動かせる範囲が格段に増えた。
2診目(7日後):施術後から数日は首が動かしやすく、重さもなかったが、少しずつ戻ってきた感じ。同様のツボを選択し、加療。この日から自宅でのお灸をしてもらう。
3診目(7日後):週中半に肩が重くなったが、お灸をしたら軽減した。頭痛(目の奥の痛み)はない。この日も同様の加療。
4診目(7日後):以前は、肩なのか首なのか、背中なのか、どこが重くて突っ張っているのかもわからなかったが、部分部分別々に自覚出来るようになってきたとのこと。同様の加療。
5診目:(10日後):肩甲骨がしっかり動く気がする。仕事をして目が疲れる感じが少ない。
6診目(11日後):多少重さは感じるものの、以前みたく全体が固まっている感じがない。
7診目(24日後):仕事の締め切りで忙しく1ヵ月近く治療間隔が空いたが、肩甲骨が動かなくなる感じはあるものの、以前のような辛さは感じていない。鍼灸に受診してから頭痛がほぼ感じなくなっている。
以降、メンテナンスとして月1回の施術を行っており、現在に至る。
考察: 肩こりは慢性的に起こるものがほとんどです。そして原因が日常生活にあることが多く、知らず知らずのうちに肩こりが進行している傾向にあります。
Nさまは、「肩こり」という表現をしていましたが、首、肩、肩甲骨回り、どこが凝っているのか自分ではわからない状態でした。
デスクワークの姿勢、子育てや日常の緊張感やストレス、諸々が全身を、特に上半身の力が抜けない状態が続いていたために起こった症状です。
少しずつ緊張を緩める事を行っていくと、首、肩、肩甲骨回り、背中とバラバラに動く事が認識でき動かせるようになると、自分でも緊張を緩める事が出来るようになっていきます。
肩こりの原因は多岐にわたりますので、難しい症状です。
まずは緊張全体を緩める作業を行い、ある程度まで緩まれば、セルフケアで維持して頂く。そんな流れで治療していきます。
肩こりでお悩みの方は多いですが、まずは何で緊張している(力が入っている)のかを知ることが、肩こり解消の第一歩です。
緊張の原因を探る、それを緩めるお手伝いがきむら鍼灸院の仕事です。
お気軽にご相談下さいね。