逆子を主訴でご来院の30代女性、ご卒業。
お悩み
逆子(骨盤位)
感想
主訴:
30代女性、第1子を妊娠。
逆子を指摘されてから一度も頭位になっている様子がなく、29週になっても回らないため、HPを見て当院へ相談がありご来院頂く。
妊娠20週以降お腹の張りが強く、産科よりルテオニン錠を処方されている。
服薬後も動くとすぐお腹が張る。出血はない。
東洋医学的所見:
下腹が冷え、脾虚湿盛(胃腸が弱く、水が溜まりやすい)がみられるため、除湿と温煦を目的に鍼灸施術を行う。
腹診をしたところ、胎児の頭らしきものが臍上に触れ、胎動が下腹部に感じる。
治療経過:
1診目:横向きで寝てもらい、背中に鍼、腰下部と膝の内側、足にお灸を行う。
施術中に赤ちゃんがごろごろとよく動いている感じあり。
施術後、臍上にあった頭らしきものが横に動き、胎動も下腹から臍横に移動していたので、補助的に自宅でもお灸を行ってもらうように指導し、終了。
翌日が産科検診のため、結果をみて3日後に当院へ受診してもらうようお伝えする。
2診目:産科検診で逆子が治っており、頭位になっていたとのこと。
腹診をしても下腹部に頭らしきものを触れ、胎動も臍上に感じる。ただ、下腹の冷えと脾虚はまだあるため、1診目と同様の治療を行う。
自宅で継続的に行って頂くお灸のツボをお伝えし、また逆子に戻るようであれば連絡を下さいと、一旦ご卒業。
ほとんどが30週までに頭位に戻ると言われていますが、9ヶ月以降までに逆子(骨盤位)が治らないものが5%程だとされています。
一般的には原因不明とされており、医療機関からは逆子体操などが勧められます。
鍼灸院へ相談される方々は、良いと言うことは全部試したけど戻らなく、医師からこのまま戻らなければ帝王切開ですね、と告げられた方がほとんどです。
東洋医学では、数パターンの逆子の原因を考えますが、今回の方は、下半身に水が多く、冷えやすい状態がお腹の張りを助長させ、胎児が回りにくい状況を作っていたと判断した1例でした。
鍼灸での逆子治療は、器質的な問題(臍帯巻絡など)を指摘されていないのに回らない場合、有効な手段となりますので、20週後半で回らない時点でご相談頂く事を推奨しております。
悩んでいる方は一度担当医師に鍼灸に行ってみたいとご相談される事をオススメ致します。
※効果には個人差があります。