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五十肩(肩峰下滑液包炎)を訴える美容師さんの一症例

50代美容師、1週間前(当時)より右肩関節が動かなくなり、知人の紹介で当院へご来院。

 

所見:
肩関節をどの方角へ動かしても初動作時に激痛が走り、腕を挙げられない。
肘が60度も曲げられない。

 

発症する前に外傷の既往が考えられないため、所見より肩関節の間接包内の炎症と推察。

 

治療:
初診:肩関節(肩峰)直下に腫れと痛みが顕著のため、炎症を抑えるように加療。
ツボは首と足、背中に数カ所を選択。 治療直後、肘が深く(120度最大)曲げられるようになる。

 

2診目(翌日):痛みは同様にあるが、昨日よりは動かしやすいとのこと。
前回同様の治療を行う。

 

3診目(6日後):前回の翌日から肩が全く挙げられなかったのが、170度くらいまで挙がるようになる。肩関節にはまだ腫れがみられ、挙げると手首から母指に痛みがあるとのこと。
前回の治療に加え、背中の骨際の治療も行うと、痛みがあまりなくスムーズに動かせるとのこと。

 

4診目(8日後):普通に万歳が出来る状態。成人式の着付けも行うので、動かしやすくしたいとのこと。
肩の腫れはほぼないので、動きをよくするための治療のみに変更。
治療直後、タオルで力を入れて引っ張ったりしても大丈夫。

 

5診目(3週間後):仕事をする上では特段支障はないが、棚からものを取るときや、不意な力仕事で痛む。
可動域制限(動かせない範囲)はないので、前回同様の治療を行う。

 

腫れもなく、可動域制限もないため、また動きが悪くなったり、痛みが出てきたら連絡を下さいとし、一旦終了。

 

 

考察: いわゆる五十肩、とは少し違う病態で、炎症が治まると動きが一気にスムーズになる傾向にあるこの症例。 強い痛みが出て、すぐに治療をスタート出来たのが、早い回復に繋がったと思われます。

 

いわゆる五十肩では、炎症期 → 拘縮期 → 回復期 といった流れに移行していきます。 炎症期の治療方法と、拘縮期以降の治療方法が異なりますので、時期に合わせた治療を提供することが大切になります。

 

五十肩かな?と思われた場合、早めにご相談することをオススメ致します。

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