不妊治療は女性が受けるもの。そう思っていませんか?実は、不妊専門クリニックでの不妊原因の男女比は半々と言われている程、男性側の問題も多く指摘されています。
疲れが取れなく性交渉を行う元気がない
射精の量が少ない
勃起が持続しない
性欲がわかない
不妊にお悩みの方で一つでも当てはまるご主人は、一度検査を受けることをお勧めいたします。
精子の数が少ない、または無い、あるいは精子の運動性などの性状が悪い状態をいいます。精索静脈瘤で精巣内の温度が高くなっていると、精子の数や運動性が低下します。また、特に原因はなくても精子が作られない場合もあります。男性不妊原因の全体の60%以上を占めると言われています。
射精するまでの道が途中で詰まっていると、射精はできても精子は排出できない状態をいいます。
勃起障害(ED)、膣内射精障害など、性交渉で射精できないものをいいます。
「卵子の質の低下」を指摘することが多い現代の不妊治療。ところで、精子って老化しないの?と疑問に思う方もいるかと思います。
精子は卵子と違い、2~3ヵ月の周期で絶えず造られています。絶えず造られているから老化はしないのか、というとそんなことはありません。
男性は女性に比べるとゆっくりですが、35歳ごろから徐々に精子の質の低下が起こると言われています。
日本産婦人科学会では、「一般精液検査は精液や精子の量的性状を示しているだけであり、必ずしも精子の質的性状(受精能力)を直接反映するものでない」と明記しています。
つまり、採精した直後に良く動いて形も良いからといって質が良いという訳ではないということです。
通常、精子は卵子に辿り着くまでに生命を勝ち取るための競争を繰り広げ、たった一匹、競争に勝った精子のみが受精することが出来ます。
女性の膣から子宮へ入り、卵管へ向かい、卵子と出会うまでの果てしない道のりです。精子の大きさは0.06mm、子宮の入口から卵管膨大部までの道のりが17~20cm。
人間で言うと6km前後の距離を早いもので5分ぐらい、遅くとも40分ぐらいで到達すると言われています。
1.卵子のいる卵管膨大部まで熾烈な競争を勝ち残らなくてはならない
この時点で約100万分の1に選別される
2.卵子に到達したら、卵子の卵丘細胞という精子の侵入を妨げる守衛を掻い潜って透明滞にあるレセプターへタッチしなければならない
1匹のみレセプターへタッチできる=受精
3.精子と卵子の染色体・遺伝子が正常でなければならない
染色体や遺伝子異常があると分割がストップしてしまう
4.分割が進み、胚盤胞になって後に子宮内膜へ着床しなければならない
着床して初めて「生命」へのスタートラインに立つことが許される
以上、妊娠するまでにいくつもの試練があり、精子はその関門全てクリアしなければなりません。採精した精子の動きが早いからといって、最後まで到達できる精子であるかはわかりません。競馬で言えば、逃げの先行馬が必ずしも勝てるとは限らず、序盤動きが遅い馬でも差しで勝つことも十分ある、というようなものでしょうか。
これは受精卵のグレードと同様で、見た目ではおおよそしか判断できないのでしょう。
身体や心の状態によって、射精する量や運動率が全く異なってしまうということを認識する必要があります。
精子は2~3ヵ月前から造精されます。
今送っている生活環境は、2~3ヵ月後の精子(運動率や量、質)に影響すると考えることが出来ます。
タイミング療法でも、人工授精や体外受精でも、精巣内精子採取術(TESE)を使用しない限り、自身の力で射精する必要があります。
精巣や通り道などに器質的に問題があれば、その治療をする必要がありますが、運動率や精子量の問題であれば、日頃のケアで回復することもあります。
量が少ないと、質の良い精子の絶対数も少ないですから、1回1回いかに良い状態で射精するか、ということが男性の自分でも注意出来る予防策となります。
女性だけが妊娠のためにケアすれば良い、という事はなく、男性が自らのパフォーマンスを上げることでパートナーのサポートをすることも、男性が出来る大切な不妊治療と当院では考えています。
男性の生殖機能は自律神経で支配されています。また、生殖器そのものは筋肉に血流が促されることで機能します。
この機能を落とすものを以下にあげます。
3つに共通するものは、現代の男性のほとんどが当てはまる、ということです。
当院では、「東洋医学的な食の見直し」と「鍼灸治療でしかできない血流改善法」を行うことにより、「男性力」向上へのサポートをしていきます。
現代の生活スタイルは座りっぱなしで目や頭を酷使する傾向があります。
男性の場合、さらに接待や付き合いで油っぽい物やアルコールの摂取が多くなる方も。
この様な生活が続くと巡りが悪くなり、血流不全を引き起こします。
東洋医学では血液は頻繁に使う所に集まると考えており、座りっぱなしで目や頭を酷使する生活が長ければ長い程、上半身に血流が集中し、精巣も含めた下半身に少なくなる傾向にあります。上記の様な症状がある方へ、改善出来る様にバランスを整える治療と、日常生活のアドバイスを行うことが当院の男性不妊での鍼灸治療です。
不妊での相談はしにくいもの。
私たちは東洋医学という形でアプローチしていきますが、必ず鍼や灸で治療していかなければいけない、というものでもありません。
鍼灸以外のものを勧めることもありますし、他医療機関に受診した方が良いと判断した場合や、不妊専門クリニックを変更した方が良い場合など、適宜提案させて頂きますので、気構えずに安心してご相談ください。